ピエロ
ある日、その村に
他所から人がやって来た。
その村は山のなかにあって、
あまり、村の者以外が訪ねてくることはなかった。
だから、彼はかなり注目を浴びた。
見知った親戚のような
家族のような村人。
それ以外の人間は滅多に見ない。
みんな、興味津々だった。
当時、彼は15才の姿だった。
こんな辺鄙なところに来た理由は
いろいろ噂されたが
はっきりとはわからない。
身元がはっきりしないにもかかわらず
可愛らしい容姿に惹かれる
村の娘は多かった。
そんな彼の名前はピピン。