ピエロ
「じゃあまず、ニコの悩みをまとめるよ。
君の話をまとめると、こうなる。
まず、兄が優秀すぎて、比べられるのが辛い。
比べられてなくても、劣等感を捨てられない。
で、そのせいで、友達にも心配をかけてしまった。
これで、あってる?」
ニコはまだびっくりしたまま、頷く。
まだどういうことかは分からないけど、彼がまとめた言葉は正しい。
「なら、そんな風に比べられなければいいわけだね。
それか、心配かけないように、暗い顔をしないようにする。
そうしたら、解決すると、思わないかい?」
……そうかもしれない。
でも、何か違和感をおぼえる。
なんだろう?
それでも、頷いた。