きみが死ぬまでそばにいる
 
 わたしが本性をあらわしても、全く引く様子のない陸に更に苛立ちが募る。

「ふりなんかじゃ……」
「じゃあ、なんだっていうの。もう限界なの! わたしのこと、皆に言いたいなら言えばいい! どうせ最初からそのつもりだった。それでもわたしはきみに復讐したかったの、ずっと憎くて大嫌いだったから!」
「俺とはもう、付き合いたくないって……ことですか」
「当たり前でしょ。誰が弟なんか……と……」

 それ以上は言葉にならなかった。
 視界がぐにゃりと歪む。立っていられなくなる――……

「先輩!」

 次に気づいた時には、わたしは陸の腕にもたれかかっていた。

「……離して」
「こんな時に何言って――」

 一瞬気が遠くなってしまったわたしを、陸が受け止めてくれたのであろうことは容易に想像できた。本来なら感謝の言葉こそあれど、憎まれ口なんてあり得ないはずなのに。

「触んないでって、言ってるの!」

 ――わたしのこと、嫌いなくせに。

「そんなこと言ってる場合ですか!」

 本気で怒ったような陸の声が聞こえて、それから泉の慌てた声が聞こえて……それから、それから……
 
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