きみが死ぬまでそばにいる
 
 その後のことは、ぼんやりとしか思い出せない。
 目覚めた時、わたしはコテージの寝室にいた。窓から差し込む光は既に赤く染まっている。
 ベッドから身を起こすと、隣で椅子に座っていた陸が気づいた。

「先輩? 気分は?」

 そう聞かれると同時に、コップに入った水を渡される。
 それほど喉が渇いていたわけではなかったけれど、わたしはそれを受け取り、一口飲んだ。

「大分すっきりした……かな」

 呟くように言うと、陸があからさまにほっとするのが分かった。
 おそらく、ずっとついていてくれたのだと思うと、複雑な気分になる。

「もう適当に大丈夫とか言わないで下さいね」
「ごめん。本当に大丈夫」

 実際、頭痛は嘘のように消え去っていた。身体のだるさは若干残るが、それほどでもない。
 
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