きみが死ぬまでそばにいる
がっかりしていない、と言えば嘘になる。
わたしと弟は、今はまだ同じ学校というだけで他に接点がない。学年も違うことだし、部活なら近づくのも不自然でないと思ったのだが。
それから二週間が過ぎた。
校内模試も終わり、勉強が一段落ついた頃には、新入生の仮入部期間が終わろうとしていた。一年生たちはいよいよ所属する部活を正式に決めることになる。
わたしも数日ぶりに部室に顔を出した。とはいっても、もともと毎日活動しているような部活でもないのだけれど。
「今日は泉ちゃんは一緒じゃないの?」
「ああ、泉は委員会で……」
「そっか。住吉くんもなんだよね。今日から一年生が入るのに、部長がいなくてどうすんだっての」
少し困ったように言ったのは、三年の長谷部先輩。旅行好きの長谷部先輩は、部長以外では唯一の三年生。他にわたしと泉を含む二年生四人。これが現在のこの同好会の全てだ。
ただでさえ少ないというのに、今部室に来ているのはわたしと長谷部先輩の二人だけ。広い空き教室が更に広く見えて、寂しい限りだった。
「そういえば……一年生、入るんですか?」
「うん。私も今年は駄目かと思ったけどね、仮入部で興味持ってくれた子がいてさ」
「そうなんですか。良かった」
「この状況見てがっかりされなきゃいいけどねぇ。まあ、うちは旅行以外で全員集まる日の方が珍しいか、あはは」