きみが死ぬまでそばにいる
狂う
 
 学校を早退し、まもなく迎えに来た祖父の車に乗って病院に向かう。私が到着した時、病院で父の緊急手術が終わるのを待っていたのは祖母だけだった。父方の祖父母は既に他界していて、地方にいる叔母になんとか連絡がつき、こちらへ向かっているところらしい。

 祖母によると、父は仕事中に頭痛を訴えた後、昏倒して救急車で運ばれた。検査の結果、脳に出血が見つかり、すぐに手術となったのだという。

 手術が終わった頃には、既に外は暗くなっていた。手術は成功し、一命はとりとめたと医師は言った。しかしながら楽観視できる状況ではなく、この先数日いつ容態が急変してもおかしくはない――とりあえず、病気に関して全く知識のなかったわたしに理解できたのは、そのくらいだった。
 
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