きみが死ぬまでそばにいる
「それは、やってみなければ分からないじゃない。最初から諦めるというの?」
「諦めるわけじゃありません。俺達が別れを選んだ――そのことに意味がある」
「意味なんて、分からないよ……」
制服のスカートを握りしめ、首を振る。
そんなわたしを諭すように、陸は言った。
「もう二度とこんな風に会うことはなくなっても、俺と先輩には同じ血が流れている。この繋がりだけは、どんなに離れても切れることはありません。俺達はいつも繋がっている、だから」
皮肉な話だと思った。あれほど憎んだ父親が、忌々しくすら思うこの血が、わたしと弟の唯一の繋がりだなんて。
だけど、それすら単なる気休めでしかない。離れていても繋がっているなんて、そんなスピリチュアル的な話をされても理解できなかった。
「さよならです、先輩」
一瞬が永遠のように感じられた。彼の顔を見れば分かる……この決断は、覆ることがないと。
こうするのが誰のためにも一番良いのだと分かっている。わたしたちの関係は、誰も幸せにすることができないのだ。わたしたち自身でさえも。
だからわたしは別れを受け入れた。
そうするしか、なかったから。