きみが死ぬまでそばにいる
一時間後、泉は用事があると言って先に帰ってしまった。少しだけ気まずく泉を見送ったわたしは、気を取り直して真面目に部活に取り組むことにする。
日帰り旅行のプランの発表会は来週に迫っていた。別に必ずプランを出さないといけないわけでもないが、この同好会に入った以上はそれが義務のように感じていた。
どうせ選ばれるのは、部長か長谷部先輩のプランなんだろうけれど……一応。
もちろんそんな気持ちで考えても、いいアイディアなんて浮かぶわけない。わたしはただ無為に時間を過ごした。
一人きりの部室の扉が開いたのは、それから更に数十分後のこと。
「先輩……こんにちは」
遠慮がちな声に振り返れば、陸がいた。会っていなかったのはほんの一週間ほどだけれど、随分久しぶりに思える。
「椎名くん! 久しぶりだね、追試はどうだったの? 最近見ないから、泉や部長たちも心配してたんだよ」
「顔見せなくて、すみません。追試の方はおかげさまでなんとかなりました」