きみが死ぬまでそばにいる
放課後の屋上は最高に暑かった。その暑さゆえに、夏は近寄る人がほとんどいない。それを理由にこの場所を指定したのかと思うほど。
「天童さん?」
先に来ていた天童さんは、わたしの声に顔を上げた。
彼女と同じく、わたしも比較的涼しい物影に入る。必然的に距離が近くなった。
「……ああ、先輩、お待ちしてました。わざわざお呼び立てして、すみません」
「いいけど……用件は何かな?」
すみませんと思うなら呼びつけるな、とは思う。
「単刀直入に言いますけど、陸くんのことです。一体彼に何を言ったんですか? 急にあたしを避けて――」
「えっと……椎名くんのことなら、本人に聞いた方がいいんじゃないかな?」
「とぼけるのはいい加減にしてください! あたし、知ってます。陸くんは先輩のことが好きなんです!」
そんな、泉でも知っているようなことを得意気に言われても困る。
「それなのに、先輩は陸くんをふった上にいつまでも彼を振り回して……あなたに、彼を縛る権利なんて何もない!」