きみが死ぬまでそばにいる
翌朝は、ひどく蒸し暑い快晴だった。まだ、七月。直射日光の下に晒されれば、立っているだけで汗が流れてきそうだった。日に日に強くなる日差しは、猛暑を予感させる。暑さが苦手なわたしにとっては、うんざりすることこの上ない。
そんな夏の日、登校したわたしを待っていたのは、随分と気落した泉だった。
聞けば、昨日のデートで部長と喧嘩したらしい。喧嘩の理由は、本当に些細なこと。弟を騙して傷つけたことに比べれば、二人共落ち度があるとは思えないような。
あまりに沈んだ泉を見かねたわたしは、一限目の水泳の授業を、理由をつけて共に見学にした。
「ねぇ、どうしたらいいかな」
昨晩泣いたのか、泉の目は少し腫れぼったい。プールサイドからどこか虚ろに彼方を眺める姿が、ショックの大きさを物語っていた。
「うーん……」
正直、昨日彼氏をこっぴどく振ってきたわたしに聞かれても、あまり適切なアドバイスはできそうにない。
陸もこんな風に落ち込んだのだろうか。それとも、怒っているだろうか。わたしのことを恨んでいるだろうか。
別に、わたしには、関係ないけれど。