きみが死ぬまでそばにいる
 
「謝っちゃいなよ……このまま夏休みになったら、旅行もあるしさ。気まずいのは嫌でしょ?」
「……でも、私悪くないもん。なのに、謝らなきゃいけないの?」
「じゃあ、謝らせるように仕向けるとか」
「どうやって?」

 適当なことを言っていたわたしは、泉のすがるような問いに詰まってしまう。
 分からない。そんな方法はない。
 明らかに落ち度があるのに、自分は悪くないと思っている人間がここにいるのに。

「さあ、わたし……男子と付き合ったことないし……」

 卑怯な言い方かもしれない。それでも、わたしには答えられるはずがなかった。

「紗己子……何か、あったの?」
「え? どうして?」

 不意にわたしに話題を向けた泉に、わざとらしく首をかしげてみせる。

「あ……ううん、なんでもないの。私の気にしすぎ……かな……」
「そう?」
 
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