きみが死ぬまでそばにいる
「えっと……」
案の定、一見恋人同士のようなわたしと陸を見て、泉と部長は何かを言いたげな顔をする。
「あ、実は、僕たち付き合うことになったんです。ね、先輩?」
陸は当然のように言って、わたしにも同意を求める。
「……うん。そうなの」
わたしが頷くと、泉も部長も嬉しそうにして祝福してくれた。その時の会話からすると、陸は以前に部長に恋愛の相談をしたことがあるらしかった。
泉も泉で、陸の気持ちに気づいていたから、後輩の想いが叶ったのが嬉しいのだろう。
他人の幸せを素直に祝福できる、純粋な二人。
だけど、違うの。わたしたちは、あなたたちみたいに綺麗じゃない……
泉と部長の仲睦まじい背中を見送りながら、いつか誰かとあんな風になりたかったと思った。
復讐のために、あえて異母姉との関係続けると決めた陸。
わたしは今更全てが露見することを躊躇して、そんな彼に従っている。
歪で壊れた、姉弟の関係。この先に何があるのか、わたしには見えない。