きみが死ぬまでそばにいる
 
「先輩、起きてください」

 陸に声を駆けられて目覚めれば、まもなく駅に到着するところだった。
 相変わらず頭痛は昨晩から引かないままだし、寝不足も解消されずじまいで身体もどこかだるい。

「大丈夫ですか? 荷物持ちますよ」
「……ありがとう」

 心配げにこちらをのぞきこむ陸に荷物を任せて、ホームに降りる。一歩車外に出れば、高温多湿の日本の夏。少しばかり都会を離れたからといって、何も変わりはしなかった。
 駅からは少しだけ歩いて、引率の教師が運転するレンタカーに乗り換える。このまま車で周辺を観光して昼過ぎにはキャンプ場に向かうことになっていた。
 
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