冒険者の上下
始めようか。
 いつも薄汚れた世界。ここはどこかもわからず、ただひたすら剣を相棒としている、最強と呼ばれた者がいた。
 しかし、その者はだれかわからなかった。

 キンッカンッ ギリィッ カンッ
剣の音が鳴る中、城に住んでいる姫がいた。
 彼女は音を奏でるのが大好きであった。
そのため、民からは
音姫 と呼ばれていた。(トイレの方じゃないよ!)
それを見ていた音姫は、姫の付きっきりの者にこういった。

「私も剣をならいたいわ。つきあってくれるかしら?私も戦に出てみたいの!」そう話すと付きっきりの者の笑顔が消えた。

「何を言ってるんですか。姫、あなたはこの城で皆を支える役目があるではないですか。そのようなことはやめてください。」
 あきれ口調でいった。

それに対して姫は
「私も、私も強くなりたいの!ね?稽古だけでも!!」
「…。はぁ。わかりました。そのかわりその稽古は私が教えます。」
そう言ったとたん姫の表情が一気に変わった。

「ええ!ありがとう!!ヘル!」
そう、付きっきりの者の名前は
ヘル  ヘル・パトレス

彼は一流の剣使い。
周りの者は彼を憧れ、見習いそうやって生きている。民にとってヘルは、安心と同時に癒しなのだろう。



コツコツコツ コンコンッ
「姫!あと5分で勉学致しますので準備しますよう、お願い致します。」

「わかってるわ。今日はなんの勉強をするのかしら。」

 彼女は勉強好きであり、天才少女ともいわれていた。
そんな彼女の名はフレデリカ・グランダ。
音姫とも呼ばれている。 音が好き、楽器を奏でるのが幸せなくらい大好きであった。
 のちに、楽器を触れることが出来なくなってしまうとは、気づきもしなかった。
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