恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜
そんな真琴を見て、感極まって泣き出してしまったのは、佳音だった。
鼻をすすりあげながら涙が止まらない佳音に、皆の視線が集まる。その視線は、どれも納得し共感するものだった。
「佳音ちゃん…。とても頑張ってたもんね…」
「先生のウェディングドレス。半分くらいは、佳音ちゃんが作ったんだよね…」
有紀がそう言って佳音の肩を抱きながら、自分も涙ぐむ。
優しくしてくれた真琴のために…、延いては大好きだった古庄のために…、佳音は丹精込めてこのドレスを仕上げた。
こんな風に真琴に着てもらえることを、心に浮かべながら…。
お腹の大きくなった真琴の体に合わせて、胸の下で切り替えられたプリンセスラインの可愛らしいそのドレスは、優しく真琴の体を包み込み、その可憐なイメージにピッタリだった。
「…先生、本当にキレイだよ」
「古庄先生もきっと、すごく喜ぶと思うよ…」
佳音の涙が伝染して、口々にそう言ってくれる生徒たちの声が震える。
真琴も胸がいっぱいになった。
思ってみなかったどころか、ここまでしてくれる生徒たちの真心がとても嬉しくて、涙が込み上げてくる。