恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜
「本日は、古庄先生、賀川先生の人前結婚式にご列席頂きまして、誠にありがとうございます。これよりお二人が、ご両親、同僚の先生方、教え子の生徒の皆さんの前で、結婚を誓い、ご列席の皆様に承認して頂きます。どうぞ本日は、お二人の新たな門出を祝して頂きたいと思います。…それでは、新婦に先立ちまして、新郎古庄先生の入場です」
澄み切った空気にふさわしい声が響き渡って、厳かな足取りで“新郎”がレッドカーペッドを歩いて行く…。
そこに登場したのが、“本物”の古庄だ。
しかし、誰もその本物の方には見向きもしない。
自分に注目されるはずが、皆の視線が別のところに集まっていることを不審に思い、視線の先を目を凝らして見る。
「…あっ!姉貴!!そんなところで何してるんだよ!!?」
古庄の一声に、群衆の意識はいっせいにそちらに向く。
そして、いきなり目の前に現れた二人の新郎を、交互に見比べた。
「……今、姉貴って言った?古庄先生のお姉さん?」
「ってことは、女の人…!?」
再び注目を集めた古庄の姉の晶は、魅惑的で不敵な笑みを浮かべた。