恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜
「真琴と出逢った瞬間、僕は一目で真琴のことが好きになりました。
それから真琴は僕の心臓の半分になり、僕が日々を生きていく原動力になりました。
一緒に働き、同僚として共に過ごす時間が多くなっていく中で、真琴の声や仕草、日常のほんの些細なことさえも愛しく感じるようになりました。
そして、真琴の仕事に向き合う真摯な姿。生徒への深い思いやり。いつも思慮深く冷静に本質を捉えようとするところは、とても尊敬しています。
僕にとって、本当にかけがえのない人です。
僕は真琴の全てを、僕の全身全霊でもって愛しています」
飾ることのない古庄の素直な言葉が、真琴のみならず、式場にいた観衆の心に響いて、シーン…と静まり返った。
その静けさを破って、校長が先を続ける。
「古庄くん…。君の容姿は、何かと周りの女性を惑わせやすい」
校長に真実を衝かれて、古庄が言葉もなく眉をひそめたのと同時に、列席していた理子や平沢、その他古庄に告白したことのある女の子、心の中で密かに古庄に憧れていた女子たちは、少し気色ばんだ。
「思いも寄らぬ誘惑もあるかもしれないし、その度に賀川さんは気をもみ、苦労をするかもしれない。これから二人で生きていく中で、色んな困難に遭うこともあるだろう。それでもどんな時でも、君は彼女を守り、永久(とわ)に彼女だけを愛すると誓うか?」