恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜
結婚式 3
「それでは、お二人の愛の象徴となりますリングを、生徒を代表して古庄先生のクラスの森園佳音さんに、お渡しいただきます」
再び放送部の子の端正な声が響き渡ると、佳音がレッドカーペッドの上を慎重に歩き、二人の前に歩み寄る。
「こちらのリングは、桜野丘高校の職員一同様から、お二人の結婚を祝しての贈り物となります。また、リングピローは、森園さんがウェディングドレスと同じ生地で手作りしてくれたものです」
司会の女の子が言った通り、佳音の掲げられた両手のひらの上には、リングピローが載せられている。
目の前に立った佳音のその緊張した面持ちを、古庄と真琴はじっと見つめた。
古庄に恋焦がれて、散々自分たちを悩ませた佳音が、こうやって祝福してくれている……。
それは二人にとって信じられない光景でもあり、とても嬉しいことでもあった。
佳音は自分を見つめる古庄が涙目になっているのを見て、少し恥ずかしそうに笑いをもらした。
そして、リングピローを古庄へと差し出す。
「まずは、古庄先生から賀川先生へとお渡しいただきます」