恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜



「…あの!私がバラしたんじゃなくて、私が気付いた時には、もうみんな、とっくにそのことを知ってたの」


佳音が焦ったようにそう言って弁解するのを助けるように、他の生徒たちも横から口を出した。


「先生は頑張って隠してたつもりかもしれないけど、古庄先生を見てたら、誰だってすぐに判るって」


「古庄先生って、賀川先生から視線が動かなくなるんだよね」


「そうそう。じーっと見つめた後、心配そうにソワソワしたり、そうかと思うと幸せそうにニヤニヤと一人で笑ってたり…」


「いくら古庄先生がイケメンでも、あれはちょっとキモかったりする…」


誰かがそう言うと、それに同意する楽しそうな笑いが、どこからともなく起こった。


そんな話と笑いを聞くと真琴は恥ずかしくなって、どう応えていいのか分からなくなる。


「さあ、雑談をしてる時間はないはずよ。賀川先生が一番時間がかかるんだから!」


平沢からそう声をかけられて、生徒たちは我に返って動き始める。


「じゃ、先生。早速だけど、服脱いで!」


「…えっ!?…脱ぐの?」


いきなりのことに、心の準備のない真琴はたじろいだ。



< 4 / 34 >

この作品をシェア

pagetop