恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜
「そりゃ、古庄先生はカッコいいし、彼氏になってくれたらなぁ…って思ってたけど。古庄先生見てたら、ホントに賀川先生のことが好きなんだな…って。あんなに純粋な想いは、もう誰にも邪魔できないっていうか…。私のただの憧れみたいな気持じゃ、太刀打ちできないっていうか…」
「逆に、あんなにイケメンなのに、あんなに一途な古庄先生を応援したくなっちゃったんだよね」
やはり古庄の取り巻きだった他の子も、そう言って口添えする。
「それに……」
そのやり取りを聞きながら作業をしていた平沢が、おもむろに口を開いた。
「…賀川先生が、私たちとは全く違う次元で古庄先生を愛していることも、私たちは解ってます。……幸せになって下さいね」
古庄のことを“落とそう”と、なりふり構わなかった平沢からそんな風に言われて、真琴は何と言って応えたらいいのか分からなかった。
ただ目の奥が熱くなってきて、涙が込み上げてくる。
しかし、生徒たちに急かされて、真琴は涙を流す猶予も与えてもらえなかった。
「さあ、それじゃ、先生。ウェディングドレス着てみて!」
促されるがまま真琴は服を脱ぎ、手伝ってもらいながらドレスを身に着ける。