今日も僕等はこの場所で想いを募らせる





ーーガタ




その音が俺の耳に入ったかと思うと、アイツがゆっくりと俺の前までやってきた。








『エコな女になれ、とか言われても無理、

 内容が分からないのに誰も読まないよ。


 それよりあんたこそエコな男になりなよ?

 紙で書いて捨てられるなら学習して言葉にして言ってよ』






と、言われても、


お前が俺と話すのも嫌そうだったし?




なんて思いながら頭を掻く俺。








『でも、まぁ…せっかく手紙で言われたことだし。

 私もその紙に返事を書いてみたから読んでみてよ』





そう言われて、俺は振られる覚悟でその紙を広げていく。






はぁ……これで本当に俺の恋も終わ……








『……………え……マジ…!?』



思わず心の中の言葉が口から出る。




その文字が嘘じゃないと、俺は目を大きくして何度も読み返す。









だって、そこには…




“意地悪しないなら付き合ってもいいよ”って書いてあったからー…









『これ、マジ?
 マジなら、俺、約束する!』





意地悪しないなら…



お前に優しくすれば、お前が俺と付き合ってくれる…



なら、俺は絶対にお前に優しくする!










『それなら…その紙に書いた通りの返事でいいよ』








俺の恋が実った瞬間ー…




アイツは俺の前で頬を赤く染めていたけど。



そんなアイツが本気で可愛いな、と、

本気で愛しいな、と思う俺は本当にどうかしてるー…













END








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