今日も僕等はこの場所で想いを募らせる
撮影した写真はブレているものもあったけど、私は何枚も撮影した写真を見て微笑む。
『あ、これが一番いいかも♪』
それは先輩が友達に笑いかけながら視線を変えた、その一瞬を撮影したもの。
視線を変えるのに顔の位置までが動き、その顔はまるで撮影している私の方に向けたかのようで…
写真だけでもドキッとさせられる、先輩の満面の笑みだった。
『これはズバリ待ち受け…』
待ち受けに設定しようとしたところで、手の中にあったスマホがひょいっと宙に浮いた。
『…………へ……?』
宙に浮いたスマホを視線で追うと、なんとそのスマホを持っていたのは…
『………先輩……』
憧れの先輩、いや絶賛片想い中の先輩がいて…
私はあまりの先輩の輝きに視線を床に落とした。
『へぇ~案外、上手に撮ってるんだね』
その声に、恐る恐る顔を上げるとなんとも冷めた目で私を見下ろす先輩ー…
『………ご、ごめんなさい…あ、あのこれには…その…』
えっと…えっと…
どこからどんな風に説明をすれば……
いや、まずは無断で撮影を楽しんでいたことに謝罪するべき…?