今日も僕等はこの場所で想いを募らせる
『きみ、いつも教室に来てるよね?』
いつもは遠くから、耳を澄まして聞こえるだけの先輩の声が、かなりの近距離から聞こえる。
その事実にドキドキが加速していくー…
『…あ……えっと……それはその先輩の満面の笑みをですね、どうしてもこうスマホに納めておきたかったというか…』
……言った。
言ったよ、私!
言いきったよ、真実を!
『……あっそ』
けれど私の大変な思いとは裏腹に先輩はしれーっとした顔でそう答えた。
少し拍子抜け……が!
『けど、許可なしに撮影するのは良くないね』
今度はニコニコとした顔で、先輩は手慣れた様子で私のスマホをいじり始めた。
優しく微笑む、その姿に“やっぱり先輩は神様のような人だ”なんて思う私…
そんな私に先輩は、
『はい』
そう言って、私のスマホを差し出す。
『………あ、…すみません……』
『いーえ♪』
そう言って微笑む先輩の顔。
ふと目に入るスマホの画面ー…