今日も僕等はこの場所で想いを募らせる
ころころと変わる表情。
それを見てるだけで、つい俺の口元もほころぶ。
あのストーカー女、あとどんな顔が出来んだろ…
『………あれ、おい…!』
気が付けば俺は自分の椅子から立ち上がり、ダチの声を背中から聞きながら、そのまま歩き出していた。
すぐ近くまで俺が来たにも関わらず、ストーカー女は画面に夢中で…
『あ、これが一番いいかも♪』
『これはズバリ待ち受け…』
…なんて呑気に独り言なんて呟いてる。
ズバリ待ち受けって、どんな写真だよ…?
俺はストーカー女が大事そうに握っているスマホをひょいっと奪う。
突然スマホが宙に浮いたからか、ストーカー女は“へ?”と変な声を出し、キョトンとした顔をしているも…
宙に浮いたスマホから、スマホを取り上げた人物、つまり俺を見ると大きく目を見開き、そしてすぐに視線を床に落としてしまった。
俺はゆっくりとその画面に目をやると何枚も何枚も、俺が映る写真があった。
何枚も何枚もなんて綺麗な言葉すぎるな、ブレブレの写真もあるし、俺の目が半開きになってるのもあるし…
どう考えても撮りすぎだろ!
とりあえず俺は一枚一枚、自分の写真の削除をし始めた。