今日も僕等はこの場所で想いを募らせる






『無断で撮影はやめてね』






と、付け足すとストーカー女は項垂れてしまった。








顔、行動……全部、見てて飽きない。






俺がどんなことをしたら笑うだろうか、


俺がどんなことをしたら困った顔をする?






どんなことでさっきみたくニコニコと笑う?



どんなことで今みたく項垂れる?






もう少しだけ、あんたのこと、教えてよ?












『教室まできたら声かけあよ。

 そしたらキミと話すことが出来るでしょ』





俺がそう言うと、ストーカー女はすぐに顔を上げてきた。




驚きの顔、けれど何かを期待するような顔でもあって…







俺の言葉で、俺の行動でころころと表情を変えるストーカー女が可愛く思える。






つい口元がほころんでしまった。



そんな俺を見て、ストーカー女の頬はもっと赤くなって、今にも湯気が出てきそうな感じだ。










あー…そっか、俺、分かった気がするよ。




俺が笑うと、あんたはすっげー顔を赤らめるんだな…




“好き”っていう想いが届くくらい、可愛い顔を見せるんだな…









いつか、その口で俺に“好き”って言ってよ、俺のストーカー女…。

















END











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