【短編】スキキライダイスキ
君が好き
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「眩しい…」

今日から高校二年生だ。
春と言ってもまだ寒くて、桜も咲くか咲かないかの頃。

朝の通学路は空気がキリっとして爽やかだ。

「蕾ー!」

後ろから叫ぶ者が一人。

「なに」

「…あいっかわらず冷たいな。小梅ちゃんが来てあげたのに、親友なのに」

「馬鹿馬鹿し。軽いよね小梅って」

早く桜が咲けばいいな。
隣で唇を尖らす小梅に笑みが込み上げる。

「軽くないよ?」

「えー、だってもう御子柴くんと別れたんでしょ?何日よ」

「うぐ…三週間」

「短いわー。薄い絆ー。信用していいんだろうかこいつはたして」

「蕾とは中学からの付き合いだよ?そろそろ信用してくれても」

「そのうち私も捨てられる」

「えっ拗ねてたの?」

こんな会話を続けて学校へたどり着く。

小梅との話は楽しい。
味で言うと蜜柑のサイダーみたいな。

甘いようで酸っぱくて、でも甘くて──刺激的。

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