【短編】スキキライダイスキ
見る間に下駄箱につく。

ああ──坂道を少し歩いただけで息が上がるなんて。
また病院行きかな。

「じゃあね小梅」

「はいよー」

私のクラスであるA組と小梅のクラスであるD組は校舎が違う。
下駄箱から向かって右の階段ががD~E組フロアに繋がり、左がA~C組。

理系か文系かでクラス分けがされている。

ちなみにA組は国公立文系の国際学部を目指す特別クラスだ。

階段を上がるたびにまた息が荒くなる。

ガラ、と引き戸式の扉を開ける。


──うん。毎朝のことだけど、ここでは私に話しかける人はいない。


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