見上げるは福寿草、君は春という名の天使。
一節, 芍薬
夏。
それは僕にとって大いに喜ばしいことと、凄く嫌ーなことがある。
まあ、夏と言えば夏休みやら海水浴やら祭りやらバーベキューやらがあるな。非常に喜ばしい。それは良いんだ、楽しいから。
しかし、僕にとって先に説明したすべてに共通して嫌なことがある。
それは、暑さだ。
皆様リア充はよくもまああんな炎天下の中手を繋いだり、ベタベタくっついたり、はたまたそれ以上のことをしたり!何食わぬ顔で出来るもんだよなぁ。
えっ?僕の性格が歪んでるって?ふん、そんなこと誰でもそうだよ。人間誰でも善人って訳じゃないだろう?非リア充がリア充を妬んで何が悪ぃってんだ。
さてさて、そんないろんな思いが飛び交う夏だが、今年は僕に朗報が届いている。
「遙太!早く降りてきなさい!はるちゃんを待たせるんじゃないわよ!」
うるさっ。そんな大声で言わなくても聞こえるっての。まあ、あいつを待たせたら厄介だけれども。
あ、ちなみに遙太ってのは僕のことね。
返事がなかったためか催促の怒鳴り声がまたきこえる。僕は昨日から床にほったらかしにしてる鞄を手に取り、階段を降りた。