見上げるは福寿草、君は春という名の天使。


「ご、ごめん………」


 なんだか調子が狂うので思わず謝った。ハルカも女の子だもんな…。


「…。ちょっとアンタ、なにか勘違いしてない?」

「なにが?」


 じとーっとハルカに睨まれる。


 …?………勘違い?


「アタシは、」

「ハルカは?」



「………やっぱり、良いわ」


「なんだよ」


 不満げに唇を尖らせてそっぽを向いた。

 なんだよ、気になるじゃないか。


「まぁ、そろそろ行かない?」

「そうね。茶番をしている場合じゃないわ、行きましょう」


 そう、立ち上がったハルカはもういつもの少し不機嫌そうな表情で。


 少し、残念だな。って、思ってしまった。

< 7 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop