ピアノの音♬〜

「それじゃあ、莉音、いっしょに帰ろう」


ピアノを弾き終えてしばらくすると、上条君はそう言ってきた


「…ごめん 今日、行かないといけないところがあるから……」


「俺も付いていっちゃだめ……?」


上条君はそう聞いてくるけど絶対に来られたくない


だって、これから病院に行くんだもん


付いて来られたら病気のことがばれちゃうよ……


まだ、誰にも話して無いのに……


「絶対にだめ‼︎‼︎‼︎」


彼は強引で簡単には諦めてくれそうに無いから強めの口調で言った


すると…


「……そうか 、ごめん」


さっきとは別人のように悲しそうな顔をしてそう言う


どうしてそんな悲しそうな顔をするの…?


今日会ったばかりでそんなに親しいわけでも無いのに………


でも、そんな上条君をほおっておけなくて優しく


「本当にごめんね…
今日はどうしても無理なの
また今度いっしょに帰ろうね」


と言った



「…ああ
また、この部屋に来いよ
この時間ならレッスンないから」


そう言って微笑む


上条君が笑うとなぜか嬉しい


「うんっ! ありがとう
じゃあ今日はもう帰るね」


「じゃあまた明日な」


「わかった!」


そう言って部屋を出る





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