ピアノの音♬〜
「やめて‼︎ 離してよ‼︎」
「なんで退学なんてするんだ⁈
退学なんてすんなよ‼︎」
あたしの顔を見て、すごく真剣な顔をして言う
「だって、何もかも上手くいかないし、ピアノなんかもうやめたいと思ったから」
「少しくらい上手くいかないからって諦めんなよ‼︎
今までずっと努力を積み重ねてきたんだろ?」
上条君の言葉が心に響く……
あたしは3歳の時から毎日ずっとピアノを練習してきた。
みんなが遊んでいる時も…ずっとずっと頑張った。
だから、ピアノが楽しくなくなってもすぐには辞められずに半年くらい音大に通い続けた
でも……あたしがピアノをこれ以上続けても何もいいことなんてないんだよ…
自分のためにも親にためにも……
だからやめるしか……ないんだよ
「離してよ…………
上条君には関係ないでしょ」
感情的に言うと本当に泣いちゃいそうだからあえて冷静に言った
「関係あるし
とにかく退学なんてさせてやんないからな」
退学するかしないかなんてあたしの勝手でしょ。
そう思って歩き出すと上条君がずっと付いてくる。