もう一度…
何度も声を掛けるが反応がない……

除霊は成功している……


そんな時俺の脳裏に嫌な思い出が蘇った。

それは、シオンの母親が亡くなった時のこと。
その時の様子が今の、シオンの状態とそっくりなのだ。


 「…シオン……ダメだ…
死ぬなよ…せっかく会えたんだ……

死なないでくれよ……頼むよ……」


俺は、町長にも住民にも、
あの二人にも見られているとは知らず、
シオンを抱きしめて泣いた。


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