もう一度…
―――――10年前

町長さんに部屋に呼ばれた。
大事な話があるって…

部屋に行くとセイもいた。 

「シオンちゃん。
君はもう8歳だ。そこで話をするよ…?
聖もよく聞くんだ。」

「分かってる」
「…はい」


「君たちはこの町に伝わる言い伝えを知っているね?」

「「…うん…」」

(何か長いやつだよね…?聖…)
(うん…難しいこと言ってるやつだ)


「君たちには今日、婚約してもらう。」

「「こんやく……?」」

(婚約って何…聖…?)
(分かんない……こんにゃくなら知ってるんだけど……)

「婚約っていうのは、結婚しますよって約束するんだ。
君たちは、結婚する運命なんだよ……

どうだ…?婚約してくれるか…?」


(何考えてるんだ…このジジイ……
俺はまだ10才だし、シオンはまだ8才だぞ…
そりゃ俺はシオンのこと好きだから、嬉しいけど…)

「婚約したら何かくれるの…?」

(へ…?)

「う、うん?シオンちゃん、それはどういうことかな…?」

「だーかーらー、婚約したらなにか良いことあるの?」

「あ、そういうことか…
この町はずっと守られるんだ…」



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