仲間
巧は、由紀とも仲が良かった。

彼と一緒にいると楽しかった。
「よぉー。蘭。」
「やほー。蘭~」
「遊ぼうぜ!」
「お前、明るくなったよな♪」
上から、巧。佐原涼(さわらりょう)。岡崎主計(おかざきかずえ)。伊藤竜也(いとうたつや)。
巧の友達。
彼らとも仲良くなった。

中学2年のときの春。
由紀が、不登校になった。
一人きりの登校。
それほど、寂しくないとは、言えなかった。
言ったとしても嘘だ。

巧たちは、必死になって笑わせようとしてくれた。

「ありがとう!巧。」
「大丈夫か。」
「うん。大丈夫!早く来ないかなぁ、由紀~。」

メールを打っても、ラインをしても、由紀からの返事は返ってこなかった。

ただの一度もー
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