溺愛シンデレラ
「シンデレラ!まったく、のろのろしてんじゃないよ!」
そういいながら私の髪をわしづかみにし、ずるずると引きずるのは私の継母。
「はい、お母様。」
「お前のような汚らしいモノの母親になった覚えはなくってよ!」
継母は荒れ果てた庭に私を放り出し、自分は家の中に戻ってしまった。
どうやら手入れしておけということらしい。
「自分たちで枯らしたくせに。」
そう。
私の本物のお母様が生きていた時には、きれいな花が咲き誇る、天国のような庭だった。
「お母様・・・。」
なんでこうなってしまったのだろう。
唯一この庭で青々と茂っている雑草を抜きながら考える。
しばらく黙々と作業を続けていると、義姉が家から出てくる。
「シンデレラ!いつまでやってるの?さっさと夕食を作りなさい!」
何かをすれば遅いと罵られ、
料理を作れば不味いと怒鳴られ、
自分の服を洗濯すれば生意気だといわれるこの生活に、もうあきらめを感じている私自身にも嫌気がさす。
それでも、