No one can replace 『貴方の代わりには、誰もなれない。』
引っ越しの最終確認をして
紗綾乃は、圭吾の元へ

父と母には、今日で最後の
付き添いになる事を報告した。

母は、辛そうな顔をしていたが‥
父は、
「そうか。」
と、一言だけ。

期待をしていたわけではないが、
改めてこの人にとって、
私の存在は、なんだろう?と、
思ってしまう。


圭吾は、着替えてリビングのソファに座って
彩乃を待っていた。
昨夜の彩乃の唇が、
頭から離れずにいた。

玄関があいて、彩乃が‥‥‥
「おはようございます。
  あっ、起きていたの?
   朝食 直ぐに用意するね」と。

圭吾は、
「おはよう。彩乃、朝のキスは?」と。

紗綾乃は、聞こえないふりをしたが
胸は、ドキドキしっぱなしだった。

食事をして、掃除、洗濯して、
圭吾と近所に散歩出掛けた。

紗綾乃は、すべての事を何倍も丁寧に
ゆっくりと行った。

二度と戻らない日本を楽しむように

二度とそばにいれない
   圭吾の隣を味わいながら

夕飯は、圭吾の好きな物を
沢山作って食べてもらい
圭吾が、寝たのを見届けながら

「どうぞ、圭吾さんの体が1日も早く
元気になりますように。」
と、祈りを込めた

すると、
「どうしたの?彩乃、お別れみたいに」
と、圭吾に声をかけられて

「っ、起きてたの?
えっと、言ってみたかっただけだよ。」
と、慌てて伝えると

そのまま腕を引かれて
ベットに引き込まれた

キスをされて、胸の鼓動が激しくなる。
このまま、圭吾に抱かれてもいいと‥‥

でも彩乃ではないと、知られてはいけない。
経験のない紗綾乃だったが‥‥

なんども、なんども圭吾にキスをされて
服も脱がされ、体中に愛撫され
ふわふわ‥‥となっているときに
紗綾乃の中に圭吾が、入ってきた。

あまりの痛みに腰を引き
ベット上に逃げるが‥‥‥
圭吾にひきもどされ、
深く深く、突き上げられ‥‥

紗綾乃は、
引き裂かれるような痛みと····
自分の愛した人と結ばれた喜びと···
彼の心に自分は、いないんだと·····
心が張り裂けそうになり
頬に涙がつたう。

彩乃の様子がおかしく
顔を触ると‥‥涙?
彩乃が‥‥泣くなんて‥‥
いままでなかったから‥‥

圭吾は、びっくりするが、
久々の行為にとめられず‥‥

後で、理由を聞けば良いと、
思いながら欲をはいた。
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