春風

ガラッと教室の扉が開いた。


私は扉の方に目を向けた。


男の人だった。



「あっごめんね人がいるとは思わなくて！びっくりさせたよね！」


その人はズカズカと教室に入ってきて私の前に座った。


なにこの人。


その人はじーっと私の事を見つめてきた。

視線には気づいたけど私は黒板と種目表を見て黙々と書いていた。


「俺、秋月 大河。よろしく！」


は？
この人頭おかしいの？
いきなり何なの？



「雪斗がさ、あんたのこと凄いって言ってたから見に来たの。」




誰それ。
いきなり来て、自己紹介して話し出して何なの？


「皆がやらないことをやって頑張っててカッコいいって雪斗が言ってたんだけど本当だね。花野井さん格好いいね！」



私は黒板と種目表から目を離して彼、秋月
大河君を見た。



「そんな人知らないし、何なのあなた。私の邪魔したいの？それにあなたが邪魔で黒板見えない。」



私は言った後に後悔した。

こんなに大きな声で話したのいつ以来だろう。