春風
秋月 大河君は少しポカーンとした顔をしていた。

だけど満面の笑みで私を見て言った。
「あはははは。ごめんごめん。すぐ退くね。」


秋月 大河君はそう言って私の右側の席に座った。


「久しぶりに怒鳴られた。ねーねー。雪斗のこと知らないの?同じクラスだよね。」



こいつうざい。

しつこい。

「沙羅ちゃん。」



「やめて。名前で呼ばないでよ。」


また笑顔。
何なの?
私の何が可笑しいの?


「じゃあなんて呼べばいい?」



「苗字でいいから」




私が即答すると秋月君はわかったーと頷いた。




「花ちゃんね!」





って
ちがーう。




でも
もう訂正するのにも疲れる。





秋月君は私の苦手な人だった。


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