貴方のそばに
小さなダンス教室
私、植村愛由葉( うえむらあゆは )。
あの頃の私はダンスなんて嫌いだった。初めてこの教室に習いに来たときは何もかもが美しくみえていた。
いくらやってもできない自分にうんざりしていた。今思うとあの頃の自分にもう満足していたのかもしれない。
確かに小学生にしてはほかの子よりは上手かったし、何度か賞もとったことがあった。
だからこそ、ほかの生徒には、なんの関心もなく、1人小汚いカーテンが束ねてある教室の隅、いつも窓から外を眺めていた。教室には時計がなく、いつもここの生徒を迎えに来ている保護者をみて時間を判断していた。はやくおわればいいのに。口ぱくで歌を口ずさむ。
「森ぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!」
あの先生はいつも通り声がでかい
ほんと心臓止まりそうになるからやめてほしい