隠した心の果て
「あーちゃん、おっはよー!!」
その声はリビングに響き渡った。
数秒たって声の持ち主がリビングに現れた。
「おはよう。勇貴くん!!」
お母さんがあいさつしたその人は、私の家の向かいに住んでいる幼なじみの高橋 勇貴(たかはし ゆうき)。
同じ大学に通っている。
保育園の頃からの腐れ縁で小学校から現在に至るまで毎日のように私を迎えに来ている。
そして、家族以外に唯一私の事を「あーちゃん」と呼ぶ人である。
「あーちゃん、準備できたー?」
「できてるよー。行きますか?」
「よし、行こ!!」
「「いってきまーす」」
私と勇貴は玄関を出た。