あなたと過ごした日々
「今日は何をしようかな」



外に出られない身体なのはわかっているし、治さない自分が悪いのもわかっている。



だからこそ『外に出たい』の一言は口にしない。




「昨日は沢山本を読んだから、今日は絵でも描こうかな」




この3年間で、だいぶ独り言が増えたように思う。まるで、誰かに話しかけるかのように。



私のためにと用意された個室はとても静かで嫌気がさす。




両親は仕事で多忙だからお見舞いにはこない。


入院生活が続いていたから学校なんか行ったこともなくて。友達と呼べる人はいなかった。




時々様子を見に来る看護師さんも、すぐに別の場所へ行ってしまう。





「…寂しい」




ふと零れた言葉。


何を言っているんだ、と自嘲気味に笑う。

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