狼さんに喰われたい。
中に入ると案の定広かった。

私の部屋の何倍あるんだろう...


「風邪ひいちゃうから、入ってね。」

そう言って、私にタオルとバスローブを渡した。


ここでお風呂に入ったら、もう後には引けない気がする。


私が躊躇っていると、

「ミャー、大丈夫。
狼さんは獲物を見るだけでも、十分楽しめるから。」

ポンポンと頭を叩かれた。


「...それはそれで警戒するんですけど。」


「それもそっか。
でもミャー、期待してるの?」

ふんわりと笑う大神さん。

顔が熱くなる。


「してません!!」


鞄を床において、お風呂場に向かった。
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