狼さんに喰われたい。
「それはミャーも知ってるじゃん。
俺がロリコンだからでしょ?」

大神さんは起き上がって、ベットの上で胡坐をかく。


「このまま私、誰かに売り飛ばされたりするんですか?」

想像するだけで恐くなった。


卒業してすぐに、知らない人に借金して買われて、今ここにいる。

この先、どうしたら良いんだろう?

親もいない一人暮らしの私の状況に気付いてくれる人は、きっといない。


「なんでそうぶっ飛んだ発想が...」

大神さんが呟く。


そして、涙目になる私を

「ミャーおいで?」

と優しい声で呼んだ。


引き寄せられるように、大神さんの前に立った。
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