狼さんに喰われたい。
「恐がらせてごめんね。」

そう言って大神さんは私の手を、ぎゅっと握った。


「ミャーを売ったりしないよ?」


子どもに言い聞かせるように、ゆっくりと大神さんが話す。


「でも....
どうしても分からないんです。
大神さん、ロリコンって嘘ですよね??
本当の目的は何なんですか?」


ポロポロと涙が零れた。


「うーん。
本当は何もしないつもりだったんだけどな。」

大神さんは困ったように言うと、私の腕を引っ張って、首筋に噛み付いた。


ヌメリとした感触が私を襲う。

「嫌っ!!」

大神さんを押し返した。
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