狼さんに喰われたい。
「ミャー?
俺の所来てくれない?」

大神さんが私の髪の毛でクルクルと遊ぶ。


「仮に大神さんが母のお弟子さんでも、私は仕事も引っ越し先も決まっているので無理です。」


「全部キャンセルしたら良いじゃん。」


馬鹿なことを言わないで下さい!

そう言おうと振り返ると、大神さんに手を引っ張られて、大神さんの上に覆い被さる体勢に。


「来いよ、美弥。」

トクンと胸が鳴る。


「ちゃんとした仕事も用意するし、マンションの一部屋開けるから。」

大神さんは手を伸ばして、私の髪を引っ張ってくる。

今後はトクトクトクと胸が鳴る。

ふ、不整脈...!?


「来てくれないなら、悪戯しちゃうかも。」

大神さんが起き上がりながら、私にググッと近づく。

バクバクと胸が煩い。
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