狼さんに喰われたい。
「気に入った??」

大神さんが後ろから私を抱きしめる。


「まぁ...はい。」

セクハラだと逃げようと思ったが『ただのスキンシップだよ』と以前に言い包められたのを思い出した。


「そういえば、布団って何処に行ったんですか?」

さっきから探しても、持って来たはずの布団が見つからない。


「あぁ。捨てたよ?」

私の肩口に顔を埋めて、スッと息を吸う大神さん。


「...何してるんですか。」

これ、訴えられるんじゃないかな。

毎日床で寝るのは流石に辛い。


「ん?
ミャーの匂い嗅いでた。」


「いや、そうじゃなくて。」


大神さんと会話が噛み合わない。

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