狼さんに喰われたい。
大神さんに連れられて、化粧品店のネイルコーナーに着いた。

「ミャーはどれが良い?」

そういうことか。
ネイルをしろってことか。

まぁいい機会だし、しよっかな。


「うーん。迷うなぁ...」

色とりどりのネイルに目移りしちゃう。


「これは??」

大神さんが手に取ったのは淡いピンク色のネイルだった。


「...意外ですね。
派手なのを選ぶと思ってました。」


「本当は赤が良かったんだけど、血に見えない??」


「...大神さん。
父と同じこと言ってますよ。」

中学生のときに赤色のネイルをしたら、父が血みたいだと言ったのを思い出した。


「大神さんって...見た目は若いですけど、やっぱりそれなりに年取ってますね。」


「え!?
ミャーそれどういう意味!?」
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