狼さんに喰われたい。
それから私達は、羽鳥さんと合流してマンションまで送って貰った。



「ミャー、お手。」

部屋に戻って一息つくと、大神さんがやって来た。


「...今度は犬ですか?」


「早く早く。」


大神さんの手の上に、自分の手を置いた。


「今から塗るからじっとしててね。」


大神さんが買ったネイルを取り出す。


「大神さんが塗るんですか?」


「当たり前でしょ?
これがしたかったんだから。」

キュッとネイルを開ける大神さん。


「自分の爪でも出来ますよ?」


「...ホント、ミャーは分かってないな。」

大神さんがあきれ顔で私に言う。
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