狼さんに喰われたい。
「どう?そろそろ慣れてきた?」

大神さんの所で働き出してから、1週間が経った。


「はい。
そんなに仕事もありませんし。」

大神さんにコーヒーを渡す。


「ん。美味しい。
ミャーが淹れてくれるお茶もコーヒーもすっごく美味しいよ。」


1週間経つけれど、大神さんはいつも大袈裟にそう言う。


「そうだ。
明日は家にいないから、ミャーはゆっくりしてて。」

カップを机に置くと、私の腕を引いた。


「なんですか?」


「明日はミャー不足になるから、先に充電しとくの。」

私を自分の膝に座らせて、後ろから抱き締めてくる大神さん。


「抵抗しないの?」


「これでお仕事を頑張ってくれるなら。」


「ミャー冷たい。」
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