それでも、きみを。
「改めて2人ともありがとう、助かりました。」
「そんな気にしないでください、キャッチしたのは唯ですし。」
「マッピが無事でよかったです。」
「面目ない。私しょっちゅう落としかけるから気を付けてるんやけどねぇ。」
気さくに話してくれる、この先輩いい人だな。
「先輩、おっちょこちょいなんです?」
「よく言われる!」
それでもこの人の楽器は年季が入っているけど、よく磨かれていて、手入れも行き届いてるのが分かる。
今までの経験上、技術と愛情って比例するものだと思うから。
この先輩の演奏を聴いてみたい、素直にそう思った。